夢洲日和 · Story 03「日帰り大作戦」

名古屋発7:00のぞみ

2025年8月(平日)、名古屋〜新大阪〜夢洲

名古屋駅の新幹線ホームは、朝の7時でも人が多かった。

後藤麻衣は、スマートフォンのチケットを確認しながらホームに立った。隣に伊藤香織がいる。二人は大学時代の同期で、同じ年に結婚して、子どもの歳も一つ違いだった。

「久しぶりやな、二人で」

香織が言った。名古屋弁ではなく、大学時代に共通語として使うようになった関西弁の混じった話し方だ。二人とも出身は静岡と岐阜なのに、いつのまにかそういう話し方になっていた。

「子ども置いてきたの、何年ぶりやろ」と麻衣が答えた。「うちは夫に預けてきた」

「うちも。朝6時半に出てきた。子どもがまだ寝てて、声かけたら二言目にはもうお菓子の話されて」

「それはある」

のぞみに乗り込んだ。名古屋から新大阪まで45分ほど。「これ日帰りできるやん、と思いながらずっと行けてなかった」と麻衣は言った。

「大阪から近いんだけどね」と香織も言った。「1時間かからないのに、なんかハードル高いんだよな、万博って」

「チケット7,500円やし、行くとなったら一日潰れるし」

「でも行かないと後悔する気がして」

「それや」

新大阪で御堂筋線に乗り、本町で中央線に乗り換えた。夢洲駅。ホームから東ゲートが直接見えた。

「でかいな」

二人同時に言った。

「11時間後にはここに戻ってくる」と麻衣が言った。

「大丈夫。行くぞ」と香織が言った。

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